中小企業のための401K導入コンサルテイング〜中退共とは?
《中小企業退職金共済の仕組み》
中退共制度は、昭和34年に中小企業退職金共済法に基づき設けられた中小企業のための国の退職金制度です。事業主が機構・中退共本部と退職金共済契約を結び、毎月の掛金を金融機関に納付します。従業員が退職したときは、その従業員に機構・中退共本部から退職金が直接支払われます。
中退共のメリットは国からの助成があることです。新規加入助成と月額変更助成があります。これらは、掛け金の一部を国が一定期間、補助をしてくれます。(こんな財政難の折によくできるものです)
さらに、税法上の特典があります。中退共制度の掛金は、法人企業の場合は損金として、個人企業の場合は必要経費として、全額非課税となります。そして、退職時に、基本退職金として予定運用利回りが1%として計算された金額が支給されます。
中退共のデメリットは、加入できる企業が中小企業に限られていることです。従業員数と資本金額で上限があります。成長著しい中小企業の場合には、規模が超えると、途中で脱退、解約ということになります。
《老後の生活を中退共にゆだねてもだいじょうぶ?》
中退共の一番の弱点は、1%という利率の低さです。たった1%の運用では、30年間毎月1万円ずつ積み立てても、419万円にしかなりませんが、8%での運用できれば1,490万円に増えます。この3倍の差はどこから来るのでしょうか?
パフォーマンスの違いはアセットアロケーションです。米国の中立的な調査分析会社(イボットソン)では、長期間の分析により、パフォーマンスへの貢献度を数値で測定しました。金融資産が増える最大の原因は、資産配分(アセットアロケーション)で91.5%を占めます。世間で重要だと思われている「銘柄選択」や「売買のタイミング」は10%にも満たない貢献度しかありませんでした。(これはノーベル経済学賞をもらった20世紀に大発明!)

話を元に戻しますが、中退共の運用が1%で、私が推奨する自主年金の運用が8%だとすると、何が違うのでしょうか?ハイ!それは、投資する資産の構成が違うのです。「中小企業退職金共済事業資産運用の基本方針」が公表されています。そこには、右のような資産構成が載っています。つまり、中退共で運用される勤労者たちのポートフォリオです。
官僚は、純国産が好きなようで、外国資産が極端に少ないポートフォリオになっています。(これが運用難の原因です)
《中退共は非効率な官僚機構》
もうひとつ気になることがあります。中退共のポートフォリオの期待収益率は2.1%であると公文書に残っています。それなのに、勤労者が手にする利回りが1%とは、どういうことでしょう?
○肥大な事務部門を支える経費として消える
○過去の積み立て不足を補うために消える
401kでは、達成された収益はすべて自分の退職金になるのに、共済制度に投げ込まれたお金は、いろいろな経費を引かれてしまいます。中退共は、約260万人の加入者がひとつのどんぶりを共有しているおおらかな器です。そこでかかっている事務費は膨大な金額です。1年間の人件費だけでも59億円。1年間の退職金給付額が4,633億円ですから、給付額の1.2%も人件費がかかっている計算になります。
中小企業退職金共済本部を調べていくと、もっとびっくりすることがあります。中退共のバランスシートは、ひどい債務超過になっています。つまり、資産3兆9,605億円に対して、負債は4兆1,850億円ですから、資本は2,245億円のマイナス、すべて繰越欠損金なのです。
超保守的な資産運用をしていながら、過去の欠損金を穴埋めするために、今の収益を充てている。本来は勤労者に回るべき現在の収益を、過去の運用の穴埋めに充てられています。過去の欠損金を穴埋めするために、今の収益を充てているのです。
最後に中退共のメリットです。それは国の制度なので倒産がありません。
だから安心です。しかし、金庫の中は火の車です。さて、遠い将来に何が起きるのでしょうか?
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1級DCプランナー 北川 邦弘
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