中小企業のための401K導入コンサルテイング〜適格年金の廃止とは?

適格年金は平成24年で廃止されます。           

適格年金は確定給付年金(DB)の一種です。適格年金の運用利回りが大幅に低下しているために、会社は掛け金を上乗せしなければならないような事態に直面しつつあります。上乗せが出来なければ、退職金給付債務がふくらみます。この国で、積み立て不足額は40兆〜70兆円に達しているといわれており、第2の不良債権問題です。この莫大な含み損は、年金の時価会計導入によって、母体会社の財務諸表に反映されることになります。会社は、積み立て不足の解消を図らないと銀行からお金も借入れできない状況も予想されるのです。

従業員に払う退職金に大きな積み立て不足があります。そして会社の財務にもダメージを与えているこの悪循環からの脱出を図ることが、いま求められているのです。

《廃止の理由〜積み立て不足は70兆円》           
適格年金は大変に融通の利く仕組みで、運用利回りを予定して、それに合わせて退職金規定を作っているのに、その運用が結局は成り行きまかせで、現実には「こうなっちゃいました」という事態です。

運用する金融機関(生保、信託銀行)も、運用がうまくいかなくなって、積立不足が生じたときに、前向きに契約者に開示して相談すればよかったものを、話題にしたくないという消極的な対応で、今日に至るまでにさらに大きな積立不足が蓄積してしまいました。これによって、従業員の退職金が危機にさらされています。企業の側も退職金債務をかかえることで、バランスシートを大きく痛める結果となりました。

実は、適格年金の積立不足はほんの序の口です。もっと大きい不良債権が年金基金の積立不足です。何兆円もの積立不足があると報道されていますが、約半数の基金が解散しました。しかし、危機を脱出しているのは、大手の優良企業の基金のみです。中小企業が総合設立した基金の処理は今後の法改正を待たなければ動けません。

《廃止のときにその年金はどうなる?》             
廃止まで適格年金を維持して、平成24年3月31日が来たときには、退職金資産が従業員に支給されます。それがいいことでしょうか?その退職金には、退職所得課税がされます。退職所得課税は、勤続20年を超えると控除額が倍近く(40→70万円/年)に増えて、定年まで勤めるような人たちを優遇しています。しかし、廃止されたからといって退職もしていないのに退職金の受け取りをさせられることで、退職金の総体としての手取り額はかなり小さくなります(予想外の課税を受けることとなります)。

また、途中で支給する退職金ですが、当然に積立不足が残っていますから、結果として支給減額か会社が追加的に資金を拠出するかしないといけません。それ以外の対応は、会社は約束違反を問われます。


適格年金からの選択肢》      
適格年金の返された退職金を従業員に支給する→(問題はそれで解決していない)
                          将来の分をどう手当てするか?
                          過去の積立不足の分をどう補てんするか?

支給しないで、無税で新企業年金に移行する→中小企業退職金共済
                    →確定給付年金(DB)
                    →確定拠出年金(401k)

《移行に当り注意すること》
○ 積み立て不足の解消を大前提に考えてください。
給付減額という方法もありますが、従業員対策と適年幹事会社の対応が面倒です。
積み立ての解消は、即座に全額拠出して解消する方法と、4年から8年かけて均等償却する方法とがあります。
次の給付減額よりも追加拠出で解消することがベターです。


○ どうしても給付減額するとき
積み立て不足の解消ができないときに、退職金の給付減額という解決策も用意されています。
そのときには、従業員に対して一方的な不利益変更とならないような交渉が必要です。
今でしたら、65歳までの定年延長などで、従業員の理解を得る努力をするという手もあります。     

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