中小企業のための401K導入コンサルテイング〜401kが簡単に分かるQ&A
新しい企業年金の選択の仕方には、絶対的な正解はありません。しかし、平均的に言えることは、日本版401Kを適正に使った人が、老後において大いに有利な立場に立つだろうということです。これは、日本より20年前に401Kが導入されたアメリカの実績を見れば明らかです。
しかし、今の日本での401Kの評判はピンからキリまで。投資を理解しない専門家には401Kが分からないのは仕方がありませんし、401kの実像をアメリカで調べた人などいないのですから。
巨大金融機関(主に生保、損保、銀行)が、自分たちの金融商品を売るルートとしてしか401Kを見ていないことへの、社労士さんたちの反発はうなずけるものがあります。自分で実践していない長期投資をどうやって加入者にコーチできるのか?それが疑問です。
《401Kを正しく理解するQ&A 》
| Q1. | 401kの最大の欠点は60歳になるまで、お金を使えないことですか? |
| Q2. | 401kは投資を強制する仕組みなので気が進みません。 |
| Q3. | 自分で金融機関に投資することと401kはどこが違いますか? |
| Q4. | 401kのような投資方法が日本で普及しないのはなぜ? |
| Q5. | 401kはコストが高いのではないですか? |
| Q6. | 途中退職したら401kは不利になりそうですが? |
| Q7 | 401k導入をして、増える会社の仕事はなんですか? |
| Q8. | 401kはむずかしくて、ウチの従業員に無理ではないですか? |
| Q9. | 金融機関が自分たちのグループの系列商品から選ばせる仕組みと聞くが・・・? |
| Q10. | 定年を65歳に延長する予定ですが、401kも65歳まで延長できますか? |
| Q11. | 401kはいったん導入したらやめれない仕組みですか? |
| Q12. | パートやアルバイトでも401kにはいれますか? |
| Q13. | 個人が401kの資産を置き忘れたら、どうなりますか? |
| Q14. | 従業員が投資などをしていると、本来の仕事に集中しなくならないか心配だ |
Q1:401Kの最大の欠点は60歳になるまで、お金を使えないことですか?
A:それはまったく正反対です。年金の目的は文字通り、老後の生活費のためにお金を殖やすことです。お金を殖やす最大のコツは時間をかけて運用することです。短期的な売買や投資中のお金の出し入れは、お金が増えることの障害になります。税金などのコストもその障害のひとつです。お金が増えないのは、テクニックやノウハウの問題よりも、お金をじっくり運用できない短気、貪欲、焦りなどの人間的な情緒の問題です。そういう意味で、60歳になるまでお金をおろせない運用というのは理想的な仕組みです。
Q2:投資が自分の老後に必要なことだと頭では分かっても、それを仕組みで強制されるのは気が進みません。
A:401Kは自分で運用商品を選択しますが、運営管理機関は、その選択肢の中に、必ず元本確保型の商品をそなえておかなければいけないと、法律で決まっています。たとえば、銀行の定期預金や生命保険会社の年金保険などです。ですから、401Kが勤労者に投資を強要しているというのは誤解です。むしろ、少しずつ慣れながら、投資に親しみ、老後資金を育てていく楽しさを知ることができます。
Q3:積極運用には投資信託を購入するプランになりますが、401Kによらずに自分で金融機関から購入することと違うのはどこですか?
A:401Kは国もこの仕組みを普及させようと、いろいろと優遇策を講じてくれています。働く人だけに与えられた特権であり、とても有利な資産形成法です。具体的には・・・
@購入手数料がかからない(運営費用は会社負担)
A運用期間中の課税は繰り延べされる
B換金時に所得税の軽減が使える
Q4:401kは分散投資を10〜30年という長期間で行なうのでリスクがおさえられると聞きます。しかし、そんなに良い方法ならば、どうしてもっと普及していないのですか?
A:確かに401kで行なう年金資産作りはとても理にかなった投資方法です。長期で行なう上に、毎月買い付けるという時間分散まで強制的に行なうのですから、余計に安全です。アメリカ人もこうして個人投資を学びました。しかし、この方法は大手証券会社にとってはありがたくありません。日本の大企業社会が消費者にして欲しい投資は、ひんぱんな売買です。「売って、買って」を繰り返させるように、広告宣伝もマーケッテイングも営業マン教育もなされています。もし、みんなが401kのような長期保有の投資を始めたら、大手金融機関は赤字に苦しむことになります。そして、それが困ることであるのは、金融庁や財務省も同じことです。
A:導入する企業の401K加入者数にもよりますが、100名くらいまでは適格年金と同等、100人を超えるくらいから、コストはむしろ割安になっていきます。
私たちが導入できる401Kの費用体系は、1社当たり2万円プラス加入者1人当たり300円の基本手数料が毎月かかります。これらは、会社が拠出金とは別に負担します。
最初だけかかる初期導入費用が別途ありますが、加入者である勤労者の財布から出るお金は一切ありません。
フェアな投資では、コストをガラス張りに公開することが鉄則です。かかるコストがはっきり見えることで「費用が取られる」という感じが強まるのでしょうが、適格年金の付加保険料のように根拠の分からないコストよりも、透明性の高い投資であると割り切ることができます。
Q6:途中退職したら401Kは不利になると聞いているけど、どうなんですか?
A:401Kは途中退職した人にとってこそ有利な年金です。退職した人が401Kの年金資産を転職と共に持ち運ぶことを、ポータビリテイ(Portability)と言います。これが401Kの最大の特徴です。転職先に401Kがあれば、年金資産をそのまま移すことができます。もし、転職先に401Kがなくてもだいじょうぶ!そのときには、確定拠出年金個人型の運用資産にそのまま移行されます。
持ち運ぶときに、「そのまま」というのが投資においては、とても大事なんです。ひとことで「そのまま」と言っている意味は、@投資信託は再投資型なので(分配型でないので)、収益に対する課税が繰り延べられているA繰り延べられている投資は解約したときに課税されるB課税の時期は遅ければ遅いほど年金の手取りは増える、ということです。
不利だと言われるのは、退社した時点でもらえないという感覚で言っているのでしょうが、年金はすでに自分のものであり、それは老後のために運用しなければならないから、現金化する道をあえて閉ざしているのです。それと401Kの例外規定として、途中で脱退して現金を受け取れる場合もあります。
@通算拠出期間が3年以下で、脱退後に確定拠出年金に加入しえなくなる人
A企業型から個人型に移行したが、専業主婦など個人型に拠出できない人は、資産が50万円以下の場合には脱退できるし、一時金で受け取れます。
B資産の額が15,000円以下ときわめて少額な場合は、個人型に移行することなく、脱退できるし、一時金を受け取れます。
Q7:401Kを導入して人事部や総務部は仕事が少し減る感じですが、逆に増える負担や義務というのはないのですか?
A:会社の義務は当然に拠出金の支払いです。通常は拠出月の月初に一括して銀行振り込みにて運営管理機関に預けます。これは、前払い退職金の支払いと理解してください。むしろ、遠い将来に退職金給付債務というバクダンを抱えるよりも、毎月の小さな備えで、帳消しにするのですから、経営者の心理的にはむしろ負担の軽減となるはずです。
会社が運用利回りの責任を持たない代わりに、負担しなければいけないことは、投資教育の実施です。これは、当方に委託してください。総務部の勉強して従業員に教えられるものではありません。頻度としては、導入後は、年に1回実施すればよいでしょう。もし加入者からリクエストがあれば、個別相談のセットが必要となります。若干のコストはかかりますが、投資教育を受けて経済やファイナンスの知識を身に付けることは、自分の年金形成だけでなく、本業の仕事の上でも新しいヒントやアイデアを与えてくれる可能性もあります。(研修の一環と考えてください)
Q8:401Kは頭のいい社員が集まる大企業だからできること。ウチの従業員には、むずかしくて無理です。
A:普通の個人の資産形成にとって必要なのは、老後の生活のための資金ニーズを自覚すること、その対策として立てたポリシーを辛抱強く維持すること、欲望や焦り、市場のバブルや暴落などに影響されずに投資を続けることです。これらは生きていくうえでの知恵であり、むしろ働く人たちの自立心を育て、仕事の意欲を高めるという副次的な効果があります。
機関投資家や短気売買でサヤを取るような投資家が武装している、むずかしい理論やテクニックはまったく必要ありません。しかし、投資の経験がなく、短期間のインストラクター養成を受けただけのような、机上のDCプランナーの指導では結果はでません。投資教育の質こそが、従業員の退職金の可能性を大きくしてくれます。
Q9:401Kで選ぶ金融商品は、金融機関が自分の系列商品の中から選ばせないから、期待するような投資結果がでないという説があるが・・・
A:必ずそうなっているワケではありません。401Kの中には、バンドル系と非バンドル系というのがあります。非バンドル系の401Kとしては、中立な商品提供をしていている独立系の金融機関もあります。401Kで気をつけなければならないことは、20〜30年という長期間の運用に適した運用会社や投資信託を選ぶことです。今までの日本の大手証券会社は、こうした息の長い投資信託を開発してきませんでした。
生命保険や銀行などの巨大金融グループが運営管理機関を行っている401Kでは、従業員が選べる商品は、ほとんどが同じ金融系列のものです。運営と運用を同じ会社がしているようなもので、チェック&バランスが効きません。従業員の年金の運用を、特定の金融機関に依存することをどう考えるか?会社ごとに意識の違いはあります。
Q10:定年を65歳に延長する予定ですが、401kも65歳まで延長できますか?
A:60歳で拠出停止することは変えられません。65歳までは運用指図者でいることはできます。
(運用指図者とは拠出をしないで、資産の運用だけをしている加入者のこと)
正確には、60歳までは運用加入者として拠出可能です。そして、65歳(任意)までは運用指図者として運用指図のみを行うとなります。
お金はすぐには不要という方は、例えば65歳になってから、一時金を請求することも可能です。
ただし、法令上、70歳までに給付請求しなければなりません。
Q11:401kはいったん導入したら、途中でやめられない仕組みですか?
A1,届出済の企業型年金規約の「廃止」という方法でやめられます。
401k廃止の場合は、基本的な流れとしては、従業員の同意を得た上で、必要書類を揃えて当局(所轄厚生局)に申請することとなります。
廃止後は、各個人が移換(原則個人型へ移換)・脱退一時金請求(法令上の要件を満たせば)の手続を行なうことになります。
Q12:パートやアルバイトでも401kに入れますか?
A:厚生年金加入者であるかどうかがポイントです。現行の規則でパート社員が厚生年金加入者であれば加入資格はあります。
Q13:個人が401kの資産を置き忘れたら、どうなりますか?
A:企業型の401k加入者だった人が転職するときに、401kの退職金資産は非課税で転職先の401kに持っていけます。
転職先に401kが導入されていなければ、個人型の401kとして国民年金基金連合会に移換されます。
個人型に移されたあとは、自分で拠出をして加入者でありつづけることもできますが、拠出をしないで運用だけを続ける(運用指図者)こともできます。
本人が何もしなくても、個人の401k資産は60歳まで運用され続けます。
Q14:従業員が投資などをしていると、本来の仕事に集中しなくならないか心配だ!
A:2ページあとの投資教育をご覧ください。プロでない個人投資家がすべきことは、最初にポリシーを立て、それをつらぬくことです。
ひんぱんな商品の入れ替えは、かえって投資の成果と原因を不明確にしてしまい、本人にとってよいことはありません。
老後の資金が足りない人には、手間をかけて投資をするほど、選択肢は多くないのです。
401kで学ぶことは、「仕事は集中、投資は分散!」という原則です。
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1級DCプランナー 北川 邦弘
ライフデザインシステム株式会社 電話03-5778-5930
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